ストキャスティクスの使い方:%K・%D、設定、シグナル

ストキャスティクスの使い方を解説。%Kと%Dの計算式、14・3・3の設定、トレンドとレンジでの買われすぎ・売られすぎの違い、ダイバージェンス、RSIとの違いまでまとめました。

ガイドSnapPulseチーム公開日 6 分で読めます

ストキャスティクスは、直近の終値が過去14本の高値・安値のレンジのどこにあるかを0〜100で測るオシレーターです。100に近ければ価格は直近のレンジの上端付近で引けており、0に近ければ下端付近で引けています。14・3・3の設定では%Kと%Dの2本の線を描き、80以上を買われすぎ、20以下を売られすぎとします。

ジョージ・レーンが1950年代にこの指標を広めたのは、ある観察がきっかけでした。上昇トレンドでは終値がレンジの上の方で決まりやすく、下降トレンドでは下の方で決まりやすい。その習性が崩れるとき、モメンタムが変わりつつある、というものです。ほかのオシレーターと同じく、ストキャスティクスは完全に価格から導かれるので、新しい情報を加えるのではなく、チャートがすでに示しているものを整理し直しているにすぎません。

ストキャスティクスの計算方法

ファストストキャスティクス

  1. 生の%K = (終値 − 14期間の最安値) ÷ (14期間の最高値 − 14期間の最安値) × 100
  2. ファスト%D = 生の%Kの3期間単純移動平均

ファスト版は動きが激しいため、ほとんどのプラットフォームはスロー版をデフォルトにしています。

スローストキャスティクス(14・3・3)

  1. スロー%K = 生の%Kの3期間SMA(これが1つ目の「3」)
  2. スロー%D = スロー%Kの3期間SMA(2つ目の「3」)

つまり、スロー%Kはファスト%Dと同じで、スロー%Dはそれをもう一度平滑化したものです。「14・3・3」の3つの数字は、参照期間、%Kの平滑化、%Dの平滑化を表しています。

数値例

過去14本の最高値が $120、最安値が $100 だとします。今日の終値は $115 です。

生の%K = (115 − 100) ÷ (120 − 100) × 100 = 15 ÷ 20 × 100 = 75。

直近3つの生の%Kが75、80、85なら → スロー%K = (75 + 80 + 85) ÷ 3 = 80。

直近3つのスロー%Kが72、76、80なら → スロー%D = (72 + 76 + 80) ÷ 3 = 76。

読み方:%Kの80はちょうど買われすぎの境目で、%Dより上にあるので、短期のモメンタムはまだ上向きです。この計算式が無視しているものにも注意しましょう。価格がどれだけ動いたかです。$100〜$120 のレンジで $115 の終値なら、じりじり上がってきても急騰してきても、値は75になります。

買われすぎ・売られすぎ:トレンドとレンジ

80/20のしきい値は、相場環境によってまったく違うふるまいをします。

レンジ相場では、ストキャスティクスは設計どおりに機能します。価格はサポートとレジスタンスの間を行き来し、オシレーターもそれにつれてゾーン間を振れます。サポート付近で20を下回り、その後%Kが%Dを上抜けて20の上に戻るのは、妥当な買いのトリガーです。レジスタンスではその逆が当てはまります。

トレンド相場では、ゾーンが判断を誤らせます。強い上昇局面では、終値が14期間のレンジの上端付近で決まり続けるため、ストキャスティクスは長期間80以上に張り付きます。そこで売るのはトレンドに逆らうことです。トレンド相場でのより良い使い方は次のとおりです。

  • 上昇トレンド: 買われすぎの値は無視します。押し目でストキャスティクスが20を下回る(または20〜40のゾーンに入る)のを待ち、上向きのクロスで買います。
  • 下降トレンド: 売られすぎの値は無視します。戻りで60〜80以上に入るのを待ち、下向きのクロスを探します。

シンプルな相場環境フィルター:価格が上向きの50 EMAより上なら、ストキャスティクスの買いシグナルだけを、下向きのEMAより下なら売りシグナルだけを採用します。

ダイバージェンス

ダイバージェンスは、価格とストキャスティクスの動きが食い違うときに起こります。

  • 弱気のダイバージェンス: 価格は高値を更新し、ストキャスティクスは高値を切り下げる。終値がレンジの上端で決まる力が弱まっており、買い圧力が薄れています。
  • 強気のダイバージェンス: 価格は安値を更新し、ストキャスティクスは安値を切り上げる。売り圧力が弱まっています。

注意点が2つあります。まず、ストキャスティクスは速いため、小さなダイバージェンスが数多く出ます。意味があるのは価格チャートで見えるスイング同士の間にできるもので、できれば最初のオシレーターの極値が買われすぎ・売られすぎのゾーンにあるものです。次に、ダイバージェンスは警告であって、タイミングを計る道具ではありません。価格による確認を待ちましょう。小さなスイングの割れ、レジスタンスでの陰の包み足、ダブルトップのネックライン割れなどです。

ストキャスティクスとRSIの違い

どちらも0〜100の範囲に収まるモメンタム系オシレーターなので、トレーダーはよく両方を重ねて表示します。しかし、同じものではありません。

ストキャスティクス(14・3・3) RSI(14)
測るもの 高値・安値のレンジ内での終値の位置 終値ベースの平均上昇幅と平均下落幅の比
高値・安値を使うか 使う 使わない(終値のみ)
速さ 速く、極端な値が出やすい なめらかで、極端な値は出にくい
デフォルトのゾーン 80 / 20 70 / 30
得意なこと レンジや押し目の中での転換のタイミング モメンタムの強さとトレンドの健全性の判断
弱点 トレンド相場でダマシが多い 短期の転換を示すのが遅い

実際には、どちらか1つをメインのモメンタム指標に選びましょう。両方を使っても、たいていは同じ考えを2回確認するだけです。RSIの側面について知りたい場合は、RSI・MACD・ATR・EMAの解説をご覧ください。

設定の早見表

用途 設定 ゾーン メモ
デフォルト(ほとんどのチャート) スロー 14・3・3 80 / 20 共通の目安
反応を速く ファスト 14・3 80 / 20 ダマシが増えることを覚悟
なめらかなスイングのシグナル スロー 21・5・5 80 / 20 クロスは少なく、遅くなる
トレンド中の短期の押し目 スロー 5・3・3 80 / 20 トレンドフィルターと併用する場合のみ
強いトレンド スロー 14・3・3 方向に応じて 85 / 15 または 70 / 30 ゾーンをトレンド側へずらす

期間を使うほかのインジケーターと同じく、数値は日数ではなく足の本数なので、同じ設定がどの時間足でも使えます。

ストキャスティクスとほかのツールの組み合わせ方

実践的な4ステップの枠組みです。

  1. トレンドでバイアスを決める。 EMAの傾きとスイングの構造から、買いだけを狙うのか、売りだけか、レンジの両側で逆張りするのかを決めます。
  2. 水準で場所を決める。 実際のサポート・レジスタンスでのシグナルは、何もないところでのシグナルに勝ります。
  3. ストキャスティクスでエントリーのタイミングを計る。 反対側のゾーンからの、トレンド方向への%K/%Dのクロス。
  4. ATRで損切りを決める。 構造に0.5〜1 ATRの余裕を加え、ポジションサイズ計算ツールでサイズを決めます。

組み合わせの例

ユーロドル(EUR/USD)の4時間足で、価格は上向きの50 EMAの上にあります。価格は、以前のレジスタンスからサポートに転じた 1.0850 まで押しました。ストキャスティクスは14まで下がり、その後%Kが%Dを上抜けて20の上に戻ります。ハンマーが 1.0862 で確定しました。ATRは18 pipsです。

売買シナリオ:エントリー 1.0865、損切り 1.0832(水準とハンマーの安値の下に余裕をもたせて)、目標は直近高値の 1.0935。リスク33 pips、リワード70 pips、リスクリワード ≈ 2.1:1。リスクリワード計算ツールで確かめましょう。無効化の条件:4時間足が 1.0832 を下回って確定する、または価格が進まないままストキャスティクスが20の下へ戻る。

よくある失敗

  1. 上昇トレンドで買われすぎを売る。 ストキャスティクスは何週間も80以上にとどまることがあります。
  2. すべてのクロスでトレードする。 %Kと%Dは絶えずクロスします。意味があるのは、水準で、トレンド方向に起きたクロスだけです。
  3. RSIと重ねる。 2つのモメンタム系オシレーターが一致しても、同じ意見が2回出ただけです。
  4. 小さなダイバージェンスを読む。 価格チャートで見えるスイングを使い、確認を待ちましょう。
  5. ファストとスローを混同する。 ご自身のプラットフォームがどちらを表示しているかを把握しましょう。14・3と14・3・3では違う線になります。

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本記事は投資教育を目的とした情報であり、投資助言ではありません。

よくある質問

ストキャスティクスの最適な設定は?

一般的なデフォルトはスローストキャスティクスの14・3・3です。参照期間14、%Kを3期間で平滑化し、%Dは%Kの3期間平均です。80以上が買われすぎ、20以下が売られすぎです。

ストキャスティクスとRSIの違いは何ですか?

RSIは上昇した終値と下落した終値の大きさを比べます。ストキャスティクスは、終値が直近の高値・安値のレンジのどこにあるかを測ります。ストキャスティクスのほうが速く、極端な値に振れやすい指標です。

ストキャスティクスが80以上なら売りシグナルですか?

それだけでは違います。上昇トレンドでは、ストキャスティクスが何本もの足にわたって80以上にとどまることがあります。買われすぎの値が最も役立つのは、レンジ相場のときか、価格の新高値をストキャスティクスが確認しないときの警告としてです。

%Kと%Dのクロスは何を意味しますか?

%Kが%Dを上抜けるのは短期のモメンタムが上向きに転じたこと、下抜けるのは下向きに転じたことを示します。売られすぎ・買われすぎのゾーンで、トレンドの方向に起きたクロスが最も役立ちます。

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