米国株のチャートを読むには、まず日足から始めましょう。価格は50日・200日移動平均線の上にあるか下にあるか、高値と安値は切り上がっているか。次に、大きな値動きでの出来高、セッション間の窓、次の決算日、指数に対するパフォーマンスを確認します。パターンやエントリーを探すのは、そのあとです。
株価チャートのローソク足は暗号資産やFXと同じなので、ローソク足チャートの読み方の基本がそのまま使えます。違うのは市場の構造です。決まった取引時間、夜間の窓、予定された決算、そして統合された1つの出来高の数値。このガイドではそれぞれを取り上げ、最後に説明用の数値例で流れを確認します。
取引時間と窓ができる理由
NYSEやNasdaqといった米国の取引所の通常取引は、祝日を除く月曜から金曜の米東部時間9時30分〜16時です(日本時間では22時30分〜翌5時、冬時間は23時30分〜翌6時)。寄り付き前と大引け後には時間外取引がありますが、参加者が少なく、スプレッドも広くなります。
取引は夜間と週末にほぼ止まるため、次のセッションは前日の終値から大きく離れて始まることがあります。チャート上のその空白が窓(ギャップ)です。
| 窓の種類 | 現れる場所 | よくある意味 |
|---|---|---|
| コモンギャップ | レンジの中 | 意味は小さく、すぐ埋まることが多い |
| ブレイクアウェイギャップ | レンジや土台の外へ | 新しい値動きの始まり。特に大きな出来高を伴う場合 |
| ランナウェイギャップ(継続) | トレンドの途中 | トレンドの加速 |
| エグゾーストギャップ(消耗) | 長いトレンドの終盤 | 反転前の最後のひと押し |
どの種類の窓だったかは後からしかわかりませんが、文脈が手がかりになります。長い土台から大きな出来高で開けた窓は、横ばいのレンジ内の小さな窓より重要です。チャートに時間外取引が含まれているかも確認しましょう。表示すると、消える「窓」もあります。
決算:予定されたショック
上場企業は四半期ごとに決算を発表します。多くは寄り付き前か大引け後です。決算は個別銘柄にとって、上下どちらにもその年で最大の窓を生むことが多く、テクニカルの水準は決算をまたぐとほとんど守ってくれません。
ポジションを持つ前に:
- 企業のIRページや証券会社で次の決算日を調べる。
- 保有期間がそれをまたぐかどうかを決める。
- またぐ場合は、損切りがその水準で約定しない可能性を受け入れる。窓で損切りを飛び越えると、次に取引可能な価格で約定するため、予定よりはるかに大きな損失になることがあります。
このため、決算前にポジションを減らしたり手仕舞ったりするスイングトレーダーは多くいます。どちらを選んでも構いませんが、決算日を知らないのは論外です。
出来高:統合された1つの数値
暗号資産と違い、米国株は取引所をまたいだ統合出来高を報告しているため、銘柄の出来高の棒は取引の活発さをかなり完全に表しています。確信の度合いを判断するのに使いましょう。
- レジスタンスを上抜けるブレイクアウトは、直近の平均を大きく上回る出来高を伴うほうが、薄い出来高でのブレイクアウトより説得力があります。
- 上昇トレンド中の押し目は、出来高が減りながらのほうが、増えながらの押し目より通常は健全です。
- 長い値動きのあとの異常に大きな棒、クライマックス的な出来高は、息切れを示すことがあります。
生の数値を読むのではなく、各棒を20日または50日の平均出来高と比べましょう。出来高分析のガイドでさらに詳しく、日中の読み方に使う出来高加重価格はVWAPのガイドで解説しています。
50日・200日移動平均線
株価チャートで最も広く注目されている2本の線は、50日と200日の単純移動平均線です。これらが重要なのは、ひとつには非常に多くの市場参加者が見ているからです。
- トレンドフィルター。 価格が両方の移動平均線の上にあり、50日線が200日線の上にあるのが、上昇トレンドの一般的な定義です。逆なら下降トレンドです。
- 動的なサポートとレジスタンス。 健全な上昇トレンドでは、押し目は50日線付近で止まることがよくあります。200日線はより深い線で、長期の投資家の多くが使っています。
- クロス。 50日線が200日線を上抜けるのはゴールデンクロス、下抜けるのはデッドクロスと呼ばれることがあります。価格からかなり遅れ、もみ合い相場ではダマシも多いので、チャートがすでに示していることの確認として扱いましょう。
トレンドをより素早く読むために、20日EMAを加えるトレーダーもいます。インジケーターごとの違いはRSI・MACD・ATR・EMAの解説をご覧ください。
指数に対する相対的な強さ
指数が10%上昇するなかで5%上昇した銘柄は、上がってはいても、指数に負けています。相対的な強さ(レラティブストレングス)は、これをとらえるものです。
最もシンプルな方法は、株価をベンチマークの指数(またはインデックスファンド)で割り、その結果をグラフにすることです。線が上昇していればその銘柄は指数をアウトパフォームしており、下降していれば出遅れています。
初心者にとってこれが重要な理由:
- 上昇相場では、相対的な強さが上昇しているリーダー銘柄に、最もきれいなトレンドが出やすい傾向があります。
- 相対的な強さの線も新高値を付けるなかでブレイクアウトする銘柄は、幅広い裏付けがあります。
- 指数が下落するなかで持ちこたえている銘柄は、底堅い需要を示しているかもしれません。
これをRSI(相対力指数)と混同しないでください。RSIは1つの銘柄のモメンタムを測るもので、指数とは関係ありません。
説明用チャートでの数値例
以下の数値は説明のために作ったものです。実在する銘柄の実際の価格や現在の価格ではありません。
ある銘柄が3か月間、40と50の間で土台を形成してきたとします。50日線は200日線を上抜けており、価格は両方の上にあります。指数に対する相対的な強さの線は、ちょうど新高値を付けたところです。決算は2週間前に発表されたので、次の発表はおよそ10週間後です。
今日、この銘柄は49.50から窓を開けて51で寄り付き、52で引けました。出来高は50日平均の約2倍です。
- トレンド: 価格は両方の移動平均線の上にあり、50日線が200日線の上。バイアスは上です。
- 水準: 50は土台の上限でした。大きな出来高を伴う窓でそこを抜けており、ブレイクアウェイギャップかつブレイクアウトの可能性があります。
- 確認: 相対的な強さの新高値が、この動きを裏付けています。
- エントリーの計画: 52で追いかけるのではなく、窓の上端であり以前のレジスタンスでもある50.5〜51への押しを待ちます。51で買えたとしましょう。
- 損切り: 土台の上限の下に余裕をもたせて49。リスクは2です。
- 目標: 値幅観測では、土台の高さ(10)をブレイクアウト水準(50)に足して60。51からのリワードは9で、リスクリワード比は4.5です。値幅観測は大まかな目安なので、55で一部を利益確定するのも妥当です。リスクリワード計算ツールで数値を確認しましょう。
- サイズ: 20,000ドルの口座で1%(200ドル)をリスクにさらすなら、200 ÷ 2 = 100株。ポジションサイズ計算ツールで確認しましょう。
- 無効化: 日足が49を下回り、以前の土台の中に戻って確定すれば、ブレイクアウトは失敗です。撤退します。
押しが来なければ、トレードはしません。値動きを逃しても何も失いませんが、遠い損切りで追いかけると、しばしば損失を招きます。
トレード前のチェックリスト
- 日足のトレンドを確認する:50日・200日移動平均線に対する価格の位置と、高値・安値の方向。
- 次の決算日を調べ、保有期間がそれをまたぐかどうかを決める。
- 最近の窓と、チャートに時間外取引が表示されているかを確認する。
- 重要な値動きの出来高を、20日または50日の平均と比べる。
- ベンチマークの指数に対する相対的な強さを確認する。
- サポート、レジスタンス、そしてアイデアが間違いになる水準に印を付ける。
- エントリーする前にリスクリワードとポジションサイズを計算する。
- 損切りは窓で飛ばされることがあると心得て、そうなっても耐えられる額だけをリスクにさらす。
- 計画を書き出し、トレード後に振り返る。トレード日誌のよくある失敗で方法を紹介しています。
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本記事は投資教育を目的とした情報であり、投資助言ではありません。