ビットコインのチャートを読むには、まず日足から始めましょう。市場は24時間365日動いているため、日足は00:00 UTC(日本時間の午前9時)に確定します。週足と日足でトレンドを見つけ、過去のスイング高値・安値とキリ番に印を付け、出来高、BTCドミナンス、センチメントで文脈を確認します。4時間足や1時間足でエントリーのタイミングを計るのは、そのあとです。
ビットコインのローソク足はほかの市場と同じなので、ローソク足に慣れていない方は、まずローソク足チャートの読み方をお読みください。変わるのは、ローソク足の背後にある市場の構造です。このガイドではBTCに特有の部分を取り上げ、最後に説明用のチャートで数値例を示します。
閉まらない市場
株式には寄り付きがあり、FXは週末に休みます。ビットコインは毎日、1分も休まず取引されています。これには実践上3つの影響があります。
- 日足の確定は慣習であって、鐘が鳴るわけではありません。 多くの取引所やチャートツールでは、日足のローソク足は00:00 UTCに確定します。現地時間の0時にずらせるプラットフォームもあります。セッション設定の異なる2つの「日足」チャートでは、ローソク足もパターンも違って見えることがあります。
- 現物チャートにはセッション間の窓がありません。 ビットコインの現物チャートは連続しています。株式で見られるような窓は、取引が休止する先物商品を除いて現れません(後述)。
- 週末も取引されますが、薄くなりがちです。 土曜と日曜の流動性は平日より低いことがよくあります。薄い市場では鋭いヒゲが出やすく、月曜に反転することがあります。週末のブレイクアウトは、平日のものより疑ってかかりましょう。
あるソースのスクリーンショットをご自身の取引所アプリと比べるときは、ほかの何よりも先に時間足と確定時刻を確認しましょう。
どの時間足を使うか
ビットコインの短い時間足はノイズが多くなります。5分足は、日足では何の意味もない動きであふれています。上位足から順に見るルーティンなら、軸がぶれません。
| 時間足 | 使い道 | 注意点 |
|---|---|---|
| 週足 | 長期のトレンド、主要な水準 | 反応が遅く、タイミングには向かない |
| 日足(00:00 UTC) | 主要なトレンド、スイング高値・安値 | プラットフォーム間の確定時刻の違い |
| 4時間足 | スイングの構造、パターンの形成 | 週末の足は薄いことがある |
| 1時間足 | エントリーのタイミング、損切ライン | ノイズとダマシ |
目安:上位足が方向を決め、下位足がタイミングを決めます。両者が食い違うときは、通常は上位足を重視すべきです。
キリ番と過去のスイング
ビットコインのトレーダーはキリ番に注目します。ゼロがいくつも並ぶ水準は注文やニュースの見出し、注目を集めやすく、チャート上に理由が見当たらなくてもサポートやレジスタンスのようにふるまいます。
キリ番を構造と組み合わせましょう。
- 日足で、直近のはっきりしたスイング高値とスイング安値に印を付けます。
- 2〜3回試された水準に印を付けます。
- キリ番がそれらの水準の近くにあるかを確認します。複数の根拠が重なること(コンフルエンス)が、注目に値する水準を作ります。
詳しい方法はサポート・レジスタンスのガイドをご覧ください。ビットコインでは、水準は正確な線ではなくゾーンとしてふるまうと考えましょう。ヒゲが数%行き過ぎてから価格が戻ってくることはよくあります。キリ番の周辺でダマシが多いのもそのためです。
取引所ごとの出来高
株式なら、統合された出来高の数値が1つあります。ビットコインは多くの取引所で同時に取引されており、各チャートが示すのは、そのチャートの取引所の出来高だけです。
- 1つの取引所の出来高は、市場全体ではなく標本です。同じチャート内で足同士を比べるのに使い、異なる取引所のチャート同士を比べるのには使わないようにしましょう。
- 直近の平均をはっきり上回る出来高でのブレイクアウトは、平均並みや減少する出来高でのブレイクアウトより説得力があります。
- 現物と無期限先物(パーペチュアル)の出来高は、違う話をすることがあります。無期限先物にはレバレッジがかかっており、主にデリバティブ主導の動きはすぐに巻き戻されることがあります。どちら側がポジションを維持するために支払っているかは、資金調達率でわかります。
出来高の棒の読み方は、出来高分析のガイドでさらに詳しく解説しています。
BTCドミナンスと相場環境
BTCドミナンスは、暗号資産の時価総額全体に占めるビットコインの割合です。BTCがどこへ向かうかは教えてくれませんが、相場環境の枠組みを示します。
- ドミナンス上昇 + BTC上昇: 資金がまずビットコインに流れています。暗号資産のほかの銘柄にとっては、慎重な局面やサイクルの初期であることが多いです。
- ドミナンス低下 + BTC上昇: 資金がアルトコインに広がっています。リスクオンの局面であることが多いです。
- ドミナンス上昇 + BTC下落: アルトコインがビットコインより速く下落しています。一般に守りの局面です。
相場環境が重要なのは、同じチャートパターンでも、トレンド相場ともみ合い相場ではふるまいが違うからです。強い上昇トレンドの中の上昇フラッグには文脈がありますが、横ばいでボラティリティの高い相場環境での同じ形は、はるかに情報が少なくなります。
CME先物の週末の窓
CMEのビットコイン先物は従来、平日のスケジュールで取引され、週末は休止していました。その間も現物のビットコインは取引され続けます。先物が再開すると、そのチャートには週末前の最終価格と再開時の価格との間に窓ができることがありました。トレーダーはこれを「CMEの窓(CMEギャップ)」と呼び、価格があとでそこに戻って窓を埋めるかどうかに注目する人もいます。
冷静にとらえましょう。
- 取引所のスケジュールは変わりますし、暗号資産の取引時間を延長する動きもあります。窓ができると決めつけず、現在のCMEのスケジュールを確認しましょう。
- 多くの窓はいずれ埋まりますが、「いずれ」は数日のこともあれば数か月のこともあり、埋まらないものもあります。窓は参照水準であって、期限付きで価格を引き寄せる磁石ではありません。
- 窓は先物チャートにしか存在しません。現物チャートには表示されません。
照合としてのセンチメント
ビットコインは公の場で盛んに語られており、市場センチメントがチャートの先を行くことがあります。役に立つ問いは「群衆は強気か?」ではなく、「群衆は価格の動きと一致しているか?」です。
- 価格が上昇するなかでセンチメントが熱狂的になるのは、遅れてきた買い手が入ってきていることを意味する場合があります。
- センチメントが非常に悲観的ななかで価格が水準を守っているのは、売りが尽きつつあることを意味する場合があります。
どちらもそれだけではシグナルになりません。センチメントは、XのセンチメントとAI分析で説明しているように、ご自身のテクニカルの読みに異を唱えるために使いましょう。
説明用チャートでの数値例
以下の数値は説明のために作ったものです。実際の価格や現在の価格ではありません。
BTCが日足で、高値と安値を切り上げる上昇トレンドにあるとします。直近のスイング高値は100で、これはキリ番でもあり、以前にも2回価格を止めています。価格は以前のブレイクアウト水準である92まで押し、00:00 UTCの日足確定でハンマーを形成し、現在は94で取引されています。
- トレンド: 週足も日足も高値と安値を切り上げています。バイアスは上です。
- 水準: 92は以前のレジスタンスがサポートに転じたものです。ハンマーの安値は91です。
- 出来高: ハンマーはこの取引所で平均を上回る出来高を伴っており、ややプラスです。
- 相場環境: ドミナンスがBTCとともに上昇しており、資金がビットコインに集中しています。
- 売買シナリオ: エントリーゾーンは93〜94付近、損切りはヒゲを見込んでハンマーの安値の下の90.5、最初の目標は100のすぐ手前の99.5。
- 計算: 94から90.5までのリスクは3.5、94から99.5までのリワードは5.5。リスクリワード比は約1.6です。許容できるトレーダーもいれば、薄すぎると考えるトレーダーもいます。リスクリワード計算ツールで確認しましょう。
- サイズ: 口座が10,000で1%(100)をリスクにさらすなら、ポジションサイズはこのスケールで 100 ÷ 3.5 ≈ 28.6単位です。ポジションサイズ計算ツールが計算してくれます。
- 無効化: 日足が91を下回って確定すれば、安値切り上げの構造が崩れます。アイデアは間違いだったので、撤退します。
パターンは最初ではなく、最後に確認していることに注目してください。トレンドと水準が先です。
トレード前のチェックリスト
- チャートの時間足と日足の確定時刻(00:00 UTCかカスタムのセッションか)を確認する。
- 下位の時間足を見る前に、週足と日足でトレンドを特定する。
- スイング高値・安値と近くのキリ番に印を付け、コンフルエンスを探す。
- 見ている取引所で、出来高がその動きを裏付けているかを確認する。
- 相場環境を把握する:BTCドミナンスの方向と全体のボラティリティ。
- 流動性の薄い週末のブレイクアウトには特に懐疑的になる。
- エントリー、損切り、目標を決め、リスクリワード比を計算する。
- ポジションサイズは確信の強さではなく、1トレードあたりのリスクから決める。
- 何が起きればアイデアが間違いと証明されるか、いつ撤退するかを書き出す。
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本記事は投資教育を目的とした情報であり、投資助言ではありません。